朱の蝶
私・・・

何時間、寝てもたやろう?

階段の下、居間のある方から
声が聞こえて来た。

弦、彼の他に誰か居る・・・

誰・・・

「それで、セキ
 おばさんの具合、どうだ
 
 見舞いには行けたのか?」

男の声・・・

「ああ、見舞いなら昼過ぎ
 に済ませたよ
 
 いつもの心の病気さ
 
 症状も落ち着いてるから
 退院できる日も近い」

「そうか・・・何か悪かったな
 こんな日に、マオの世話を
 任せて」

「気にすんなよ
 マオとチヨが居てくれて
 良かったよ

 あいつ等のおかげで
 お袋の笑顔も見れた」
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