朱の蝶
私のHEROは、天に・・・

兄を失った私に残された道は
親戚の家に預かってもらう事

十歳の私には
それしか、道が無かった。

その場所は、私にとっては
地獄も同然の場所だった。

父の妹、叔母さんの家には
痴呆気味の寝たきりの祖母が
住んでいて、私はその世話
介護の手伝いをさせられる為に
この家に引き取られたのだった

年を重ねると共に、手伝いでは
済まず、介護のほとんどを
私が大抵一人で任せられるよう
になった。

高校にまで行かせてもらって
いるのだから、下の世話ぐらい
お前がやるべきだ。

叔母の家族達は、そんな目で
私を見つめる。
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