朱の蝶
弦のお母さんは、心の病で
入院中なの・・・?

「そうか、なら良かった
 
 なあ、セキ
 お前さえ良かったら
 俺の家に来ないか?

 ここは、やっぱり
 住みづらくねえか?」

弦の事を心配する声。

「住める家があるのに
 誰一人、住まないなんて
 勿体ねえよ
 
 俺は、大丈夫だ
 
 カイリ、ありがとな
 気持ちだけ貰っとくわ」

カイリ・・・

思い出した、入江組
八代目組長、高月 浬・・・

彼の持つ物に魅力を感じた兄は
どうしても、それが欲しくて
契りを交わそうと、入江組に
話を持ちかけた結果、決裂し
抗争となり、兄は帰らぬ人と
なった。
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