大人と子供の境目
いつもは私から電話を切るけど、今日はそうちゃんからだった。
そして、いつものように言っている『大好き』だとか『愛してる』とかも言わなかった。
そうちゃんは何か悩んでるのかもしれない。
私は気分を変えたくて家の外に出た。
家を出るとちょうど、南高校に進学した同じ中学の小山沙織(こやまさおり)がいた。
さおりは、バスケの名門南高校の1年生で唯一メンバー入りしたらしい。
「あ!みづきぃ。久しぶりだね!さお偉くない?夜も走りこみで~す♪」
中学の頃から沙織は笑顔で、万能な子だった。
「偉すぎ。沙織はほんと努力家。羨ましい。彼氏はできた?」
「ありがと!彼氏できない。なんでーってかんじ!あとちょっとで誕生日だから彼氏いない歴16年になるよぉ」