先輩と後輩
「あたし、多分あんたのこと好きっぽい」
「……ぇ?」
「好きってどんな気持ちかわからないけど、多分これが好きって気持ちなんだろうなぁって思う。あんたの陸上姿とかも何気に好きなあたしがいるし。今でもわざわざお見舞い来てくれて、嬉しいあたしがいるし」
「…………」
「なんで黙ったままなの?」
するといきなり立ち上がり、
「帰る」
「は?」
「お邪魔しました」
と言い残して、あいつは本当に帰ってしまった。