15のチルドレン -Secret End-
「俺ばっか構ってらんないと思うんだ。二人にだって自分のジンセーあるだろ? 仕事してるし…、友達もいるだろうし…。
一方の俺はただ飯してるし、居候だし、外にも出られないし。
どうしよう、このまま2011年、2012年、2013年を過ごすことになったら。
学校にも通えないし、バイトだってできないし、かといって家にも帰れないし」
秋本の言うとおりだ。
気丈に振舞っているけど坂本の心中は不安で渦巻いている。
俺達の生活を親身になって考えてくれている中坊に、「馬鹿だな」俺は微苦笑を零した。
「俺達のことは気にすんな。俺は構わないぜ、お前を養うくらい」
「……、けどさ。兄貴だって家庭を持っているらしいじゃんか? 秋本もお前もいつかは家庭を持つだろ? そう思うと俺さ」
「中坊のくせにオトナの心配してんじゃねえよ。お前はお前の心配をしとけって。秋本の家が窮屈になったら、俺のところにくればいいし。
バイトは履歴書だけってところが多いから、働きたかったら緩いバイトを探せばいい。
それに、あー、関係を作ることだって可能だぜ?」
「関係?」坂本がこっちを見てくる。俺は得意げに言った。
「お前は俺の息子って設定にする。
実は中学の時に過ちを犯しちまって、彼女が生んじまったはいいものの、生んだ後にいざこざ。
彼女は息子と内縁の夫を置いて逃げ、俺はシングルファーザーで立派に息子を育てているのであった。
どうだ? 立派な設定ができたぞ」
「ウゲッー。お前が俺のパパ? しかも親子にするなら…、お前、14でパパ? でも子供って十月十日だから、最低でも13で過ちだぞ!
ちょ、それはねぇよ。犯罪じゃねえかお前」
「じゃあ、家出少年を保護した優しい兄ちゃん。これでいこうぜ。いっちゃんしっくりくる」