15のチルドレン -Secret End-
二週間後の日曜。
正午に駅で待ち合わせていた私は、二十分遅れでやって来る遠藤に文句を垂れているところだった。
「悪い悪い」起きれなくってさ、片手を挙げて詫びてくる遠藤。
時間にルーズな男だとは常々知っていたけど、ほんっと性格が出ているわね。
彼女だったらグーパンチよ、あんた。
パッと見真面目そうな身形をしているくせに詐欺よ。
ヤンヤン文句を言う私に、「悪かったって」遠藤は再三再四詫びを口にしてくる。
挙句、
「お前の文句を聞いていると前のカミさんを思い出すぞ。勘弁してくれって、胃に穴が開く!」
だって。
そりゃあ文句も言いたくなるわよ。
遅刻している分際のくせに、連絡しても一向に出ないんだから。
遅刻した詫びに奢るから、と言われて私は当然だと返す。
そしたら遠藤、「坂本の奴」なんでこういう女が好きなんだろうな、不思議でならないと首を傾げていた。
どういう意味よ、それ。
閑話休題。
近くのパスタ屋に入った私と遠藤は、早速席を陣取ってメニューを見ることにする。
どうせなら高い物を注文してやろう。
意地の悪いことを思っていると、
「お手柔らかにな」
遠藤が先に釘を刺してきた。
給料日前だから金がない、なーんて言ってくる。
嘘でしょ、それ。