15のチルドレン -Secret End-
「ったく、マジさ。
お前が保健室にいないもんだから、秋本の奴、いっきなり俺の胸倉を掴んで『何処に行ったのよあいつ!』って突っ掛かってきたんだぜ? ねぇよな。寂しいからって俺に当たるなって話」
「ちょ、何チクってるのよ! べ、別に私は…、さ、寂しいとかじゃなくて」
「坂本、何処に行ったのかしら。も、もしかして学級委員の川島さんと一緒じゃ! 昨日、坂本の下に来ていたしっ、キャーッ、どうしましょう!」
「え、えぇえええ遠藤!」
……、お前等な、一応此処に病人がいるんだぞ。
分かってるか? そこんところ。
俺は微苦笑を漏らしていたけど、不意に遠藤と秋本の面持ちがアラサーに見えた。
見えたような気がした。
「あれ」俺は目がおかしくなったのかと、手の甲で擦ってみる。
二人を再び見ると、そこには15の同級生達が、親友と、彼女の姿があった。
目の錯覚だったのかな、今の。
アラサーの二人、か。
2011年で俺を支えてくれた、大事なアラサー二人。
それから時を越えた同級生二人。
あいつ等がいたから、今の俺がいる。
いつか俺は二人でアラサーになる。
んでもってあの同級生二人にも会わないと…、約束したしな。