15のチルドレン -Secret End-
くるくるとシーリングファンの回る影を目で追いながら、「それで?」説明を続けてくれるよう頼む。
重々しく口を開く秋本は目を伏せがちに、「坂本は」迷子なのよ、そう述べてカップを両手で持ち上げた。
「私にもよく事情は呑み込めていないし、あの子自身も混乱しているんだけど。坂本は時間を超えて此処に来たみたいなの」
秋本曰く、坂本 健は1996年から2011年になんらかの事象によって歳を取らずこの世界に迷い込んできたらしい。
まるで漫画みたいな話だな、おい。
十日前に偶然彷徨っていた坂本を保護したそうだけど…、だったらなんで連絡を入れてくれなかったんだよ。
俺は次第次第に不機嫌になる。
お前も知ってるだろ?
俺がどれだけ坂本を捜し待ち続けていたか。
俺だけじゃない、ご両親や兄貴の聡さんだってあいつを捜し続けている。
家族に言えない吃驚仰天ニュースでも、連絡を取り合っていた俺にくらいは教えてくれても良かっただろうに。
そりゃ信じられるかって聞かれたら、最初こそは驚くし取り乱すだろうけど、それでも連絡は欲しかった。
あそこで再会しなかったら、俺、ずっと再会できなかったんじゃないか?