記憶から消えた日
「お母さん、あたしがどんなに良介のこと好きか知ってるでしょ?」
「わかってる。でも、今は会っちゃいけない。雄也くんと彰人くんが行ってるから安心して?」
涙がとまらない。
止まらなくてもいい。
涙の量で、お母さんがわかってくれるなら、体の水分全部を流してもいいと思った。
「なんで?なんで良介の親友は行っていいのに彼女のあたしはだめなの?」
おかしいよ
おかしすぎるよ!
あたしだって、良介の隣で良介を励ましたい。応援したい。見守りたい。
「あのね、良介くん、一部の記憶を失っているかもしれないの」
「え?」
「七海の事、覚えてないかもしれないの」