不良彼氏は正反対
すっと携帯の通話ボタンを押した。
「もしもし」
『恋華か?』
「え・・、お父さま・・・」
もちろん、
聞き間違えるはずないお父さんの声。
出来れば・・
昔の生活を思い出したくないから
話したくなかった。
用事があって電話したんだと思うけど
なんの話しが
あるんだろう。
そんな予感は
バッチリ当たってしまうんだね。
『お前、今度お見合いしてみないか?』
「えっ?」
お見合いか・・・
さすがに
予想外だった。
自分はお嬢様だとまた
通関させられた。
「それはお受けすることは出来ません。
いくらお父さまの申し出でも、
心に決めた人ぐらい居ます」
だけど、
あたしは前みたいに
なにもかも従うなんてしない。
意識があるの。