不良彼氏は正反対
「よかった。似合ってるわね」
「ありがとうございます」
「これはね、私が婚約するときに・・
今日みたいな日にきていたものなの」
「お母様が・・・」
これはお母さんからのお古・・・
それも驚いたけど
もっと驚いたのは、お母さんたちが
お見合いだったってこと。
特別仲が良いわけでもないけど喧嘩する
わけでもない
一般的な夫婦だった。
この家はもとはお母さんの親が経営
していた会社で
お父さんが継いだんだ。
ちゃんと愛し合って結婚したんだと思っ
てたのに・・・
婚約が悪いと思ってるわけじゃない。
必ず、初対面同士とも限らないし。
だけど・・・
だけどどこか心が温かくなれない。
あたしね?
愛斗と付き合ってみてやっぱり付き合う
ことっていいなって
楽しいなって思った。
だから、順序の踏んでない婚約はいや。
二人が
踏まずに結婚したのも・・なんだか
淋しい。