屍村
次の日の夜また母親が現れた。
走る私。
追う母親。
その状況は昨日と変わらなかった。
変わったとすれば母親と私の距離が縮まった。
一瞬、母親の方を向いた。
その顔はとても申し訳なさそうに涙を流していた。
その顔を見て私は立ち止まった。
殺されると分かりながら。
母親が泣きながらこちらに来る。
鋭い何かで私の頭を刺した。
未練は無い。
涙を流しててくれたのなら、私は殺されてもいい。
どうせ私は死ぬ運命にあったのだ。
なら今死んでもいい。
父親は狂ってしまうかもしれないが、これは私が決めた事。
父親は関係ない。
私は母親に殺された。