Don't touch me

教室に入ると、ざわめきが起こった。



「椿ちゃん。なんか私ら、注目されてない？」

「そりゃね」

「…何で？」

「美和とごたごた起こして、外村英雄の厄介になった。それだけで十分よ」



なんて事だ。

《無難に過ごす》が私のモットーなのに。

このままではいけない。



「み、皆、聞いて！」



ざわめきが止む。



「美和ちゃんとは、喧嘩したわけじゃなくて、外村先輩は、たまたま通りかかったから助けてくれただけだから！」



…フォローになってるだろうか。