ここから始まる4つの恋
俺は普通にしゃべっているだけだ。
笑わそうと思ったわけでもないし
空気を和ませようと思ったわけでもない。

「ええと、棚町?何年生なの?」

「2年生」

同じ学年じゃねえか。見たことないぞ。

まあこの学校ならしょうがないことか。
なにせ1学年だけでも300人はいるんだ。

この少子化のご時世に珍しいマンモス校だ。

「マジか。俺も2年生だ」

「知ってるよ。見たことあるもん」

「そうなの?」

「うん。学年の中で背が高いしそれに坊主でしょ?
目立つよ、君」

そう笑いながら棚町が言う。
なんか・・・よく笑う子だ。

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