ここから始まる4つの恋
ハーフだってことだけある。

布団に戻ろうとしたらまたしてもチャイムが鳴った。

「は~い」

もう一回玄関に向かう。

「誰すか~」

ドアを開けるとさっき隣の部屋に帰ったはずの優衣さんがいた。

「あれ?優衣さん。どうしたんすか?」

「知り合ったばかりで頼みにくいんですが、引越しの手が足りなくて・・・手伝ってくれませんか?」

なんだそんなことか。

「いいすよ」

「え?」

「いやだから手伝うっすよ」

「は、はい。ありがとうございます」

何か硬いな接し方が。俺の性分に合わないぞこれは。

「あの、もうちょっと気楽に話してもいいっすよ。優衣さんの方が年上っぽいし」

「そう・・・ですか?なら普段通りにしゃべる!」

うん。こっちの方がしっくりくるな。それにしてもしゃべり方が高校生みたいだ。

「こっちの方がしっくりくるっす」


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