ここから始まる4つの恋

「じゃあ家に言っていい？」

「変なことしてもいいならな」

こういっておけばこないだろう。俺って策士かもしれない。

「別にいいよ」

「マジかよ！？」

「うそうそ」

だろうな。本当だったらこいつはあれだ、あれ。・・・俺の口からは言えない。

「CD聞くの邪魔したらすぐにおい返すぞ？」

「うん、分かったから行こうよ～。先輩♪」

「先輩じゃねえし。同じ学年だし」

「早く行くよ～」

なし崩しに俺の家に行くことになった。昨日知り合ったばかりなのにそんな気がしないってのは不思議なもんだな。

靴に履き替え外に出るとそこに里奈がいた。

「おい、里奈。何してんだ？」

「あれ？陸斗じゃん～。・・・何してるかってまあ、考えごと？」

「里奈のことなんか俺には分からん」