殺伐少女【短編】
疲れたんだ


泣くことに
嘆くことに
信じることに
愛することに







大切なモノを失う事に








霧咲美織(15)

高校一年生


雨が降っていた・・・

空を見上げると
雲が空を覆う

雨は

私にとって

うっとおしいものでもあって

大好きだったあなたとの

出会いの種でもあった。



「止まねーなぁ・・・・」
「・・・?」

・・・独り言か・・
その人は黒い髪に茶色い目。
ぶっきらぼうな声。
着くずした制服。

当時の学校は海に近く、結構な田舎でもあった。

海は荒れている。

昨日はいつも通り綺麗だったのに

雨はこんなにも景色を壊す。


どんなに綺麗な景色も
たった一夜で
壊してしまったんだ―――



「何考えてんの?」
「え?」
「お前。友達いねーだろ?」
「・・・・」
確かに私は友人が居ない。

面倒だった。というのはただの言い訳だっただろう。








「俺、友達になってやってもいいけど?」
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