逢い唄
(お父さん、この質問の意図を教えてよ―・・・)
正直言って意図がさっぱり見えない質問には不安が溢れかえる。
「美菜っ。ちょーっとだけお隣さんと過ごしてみよっか♪」
(は?)
「お隣さんの海君は優秀だぞ~」
(は?は??はぁ?!)
冗談じゃねぇぞクソジジィ!ってお父さんを蹴っ飛ばしてやりたかった。
全く持って冗談じゃ済まない!!お父さんの隣にいるのは不機嫌そうな中学生・・・
「ない、ないないっっつーの!!」
「美菜、数学苦手だろ~??」
「いや、男の子だよ~」
「いや、お隣さん誠実で紳士だぞ~??」
(は?理解不能。紳士だ?何が??どこが?面識の深くない男子と過ごせと?巫山戯るにも程がある・・・)
すると、
「申し訳ありませんが、家庭教師ってゆー軽い存在で考えて貰っても構いません。どうか、宜しくお願いいたいます・・・」
深々と「海」とゆー中学生が頭を下げてきた。
「いえいえ、こちらこそ出来損ないの美菜ですが宜しくお願いいたします」
お父さんまで頭を下げる。
(おい、うぉいおい!!私の話を少しは聞きやがれ~!!)
もし、自立して一人暮らしを今すぐ出来るものならば、今すぐしてやりたい・・・・・・。