逢い唄
夜、夕食を終えて海はいつも通りだった。「なんだ、大したことなかったのか。」そう思っていた。
でも、いつもと違っていたことがあった。
「美菜、片付け終わったら星を見に行かないか?」
「え?」
「大丈夫、晴れてるしきっとみえるよ。オリオン座…。駄目か?」
「え、いや、ううん!」
違うの駄目だとかじゃなくて、こんな時間に出かけようとか。海らしくないな…って。何かを悟ったけど、私は何も言えなかった。この時何か気の利いたこと言っていれば、今の私は…って思うんだ。