恋〜koi〜
そんなわけで、俺は自分から進んでHR委員をやることにした。
もちろん本意じゃないけど、誰かがやらないといけないし。
じゃんけんをしたとしても、俺が負けるのは目に見えてたし。
どのみちやる運命なんだったら、じゃんけんなんかで決める前に立候補したほうがいいと思った。
というわけで。
HR委員になった俺だけど。
任されるのはほとんど雑用。
おまけに同じHR委員の女子のほうは立候補者がいなくて、結局じゃんけんで決まった奴。
やる気なんてないのか、これっぽっちも手伝ってはくれない。
今回の席替えのくじだって、先生に頼まれて、俺がひとりでつくった。
あーあ…。
もっとマシな奴と一緒だったら、俺だってもう少し積極的に頑張るのに。
たとえば……あいつみたいな。
みんながくじをひき、いろんな風に騒ぐ中、俺は窓際の一番後ろの席に目を向けた。