K.O.O.L−kiss Only One Love
「そいやぁ、なんで職員室に行ってたの?」
「あぁ。今度うちのクラスに来る外部講師の話を聞きに♪」
「外部講師?」
「そう。残念な事に男だったんだよなぁ…」
「な、何を期待してんの?!」
あたしはわざとプゥ〜と膨れてみせた。
「いやいや…そういう訳じゃ。って可愛いな♪夕葵は♪」
そう言って、あたしをひょいとお姫様抱っこをし、
そのままあぐらの上に座らせた。
あたしは、恥ずかしくて顔を伏せる。
「夕葵?」
チラっと見ると、涼太の視線にまた動きを封じられてしまった…
「ずるい…」
「ずるくない…」
徐々に近付く涼太の顔…
あたしは、唇が重なっている間も目を閉じずに涼太を見続けた。
「もうホントに限界…早く俺だけでいっぱいになれって…」
涼太は一度唇を離し、目を閉じたまま言った。
あたしは、涼太の首に腕をまわして、
「もう少しだけ…待って」
そう答えるしか出来なかった。
−−−−−−−
「…で、その先生はカッコイイの?」
「お前…俺様にお姫様抱っこされて密着してる時によくも他の男の話できるなぁ…」
「…だって…気になって♪」
「そんな先生の事なんか気にしないで、俺の今の下半身事情を気にしろっっ!!」
「……」
あたしは目線を下げた。
「…ご、ごめん。」
「俺、かなり我慢してるんだからな…?
正直…前みたいに目の前で着替えられたら…抑えきれないかも♪」
「…気をつけます」
「…てか、先生、高橋大和…とかいったかな。
実物見てないけど、写真では超イケメンだったけど?」
え…?
今なん…て?
高橋…大和…?
うそ…
「…夕葵?どした?」
「もしかして…教科…数学?」
「そうそう!数学!」
同姓同名??
それとも…本人??
あたしは、身体全体から力がぬけそうだった。