K.O.O.L−kiss Only One Love
過去の恋から新たな恋
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1年前。
あたしは、サチと同じ塾に通っていた。
あたしは…勉強の為に通っていたはずが、いつしか違う目的で塾に通うようになっていた。
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高橋大和…
あたしとサチが通っていた塾の数学の先生…
見た目もよくて、とにかく優しい…
…24歳という事もあって、高1のあたしからしたら大人で…
憧れの人…あたしは、淡い恋心を抱いていた。
彼のまわりははいつも爽やかなシトラスの香りがしていた。
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「高橋先生!」
「おぅ!石川!どした?」
「この前のテスト、学年2番でしたぁ♪」
「すごいなぁ…石川はいつも10位以内だったよな?頑張ってるなぁ!」
「でしょ♪1番取ったらご褒美ちょうだい♪」
「そうだな…考えとく!」
「絶対だよ?約束ね!」
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あたしは高橋先生のご褒美の為にがむしゃらに勉強した。
…でも、1番になる事は叶わずにいた。
「…先生。あたしまた2番でした。STAY SILVERだよ…」
「順位ばかり気にするな!石川が頑張ってるのは俺が一番知ってるから…」
「…でも…先生のご褒美欲しかったし」
フワっとあたしのまわりがシトラスの香りでいっぱいになったのに気付いた時には、
あたしは先生の腕の中だった。
「…先…生?」
「っ!!…悪い。」
先生は、あたしを腕の中から解放した。
「…やだ。離さないで下さい…」
あたしは自分から先生の腰に腕をまわした。
「…あたし…先生が好きです」
先生はあたしを力いっぱい抱きしめてくれた。