K.O.O.L−kiss Only One Love
しばらくして、旧図書室のドアが開いた。
その瞬間にシトラス香りがあたしまで届く…
振り返る??
どうする??
身体に力がはいる。
「…夕葵」
声に出されたあたしの名前…
あの時の気持ちが溢れてくる…
「…や…まと…」
あたしはまだ振り向かない…
「夕葵…」
あたしのすぐ後ろで、あたしの名前を呼ぶ…
あたしの肩に指が触れる…
あたし…戻れなくなっちゃう…
「っ大和!!」
あたしは振り返って、目の前の大和に抱き着いた。
大和はそんなあたしを抱きしめてくれた。
昔あたしが求めた人が今あたしの目の前にいる…
「会いたかった…」
大和はあたしの耳元で言った。
大和はあたしの唇をそっと指で触れ、
あたしの唇に大和の唇を重ねた。
あたしたちは何度も何度もお互いを確かめるようにキスをした。