K.O.O.L−kiss Only One Love
…山田…太郎だと???
あたしは、下着姿が見られた事よりも、適当な名前を言われた事に腹がたった。
特活室をバンっと出て、あたしはサチの元に走った。
「サチっ!!」
「ど、どしたの?!」
大声でサチの名前を叫んだからか、クラス全員があたしに注目する。
「や、山田太郎!!!」
「は?」
ギャハハハハハ!!!
突然あたしが訳のわからない単語を叫んだからか、みんなが大爆笑する。
「夕葵、落ち着いて!山田太郎…がどした?」
「うちの学校の山田太郎って人知ってる?」
「山田…太郎…は、生物の山Pじゃん?」
あ…そうなの?
山Pって山田太郎って言うんだ…
「…じゃなくて!生徒で、背高くて、切れ長の茶色い猫目で、かっこよくて…
あたしを石川夕葵ってフルネームで呼ぶヤツ!!」
サチは少し考えて…
「あぁ…相原涼太の事かなぁ?4組の。」
「4組ね…ありがと!!」
「ちょっと!夕葵!何があったの?!」
あたしは、サチの問い掛けに答えずに4組に走った。