K.O.O.L−kiss Only One Love
4組のドアを勢いよく開ける。
「あ…石川夕葵ちゃんだ…」
「うわっ♪リア夕葵ちゃん♪」
ボソボソとあたしの名前が聞こえる。
…何…あたし有名人なの?
って、今はそんな事はどうでもよくて…
「あ、相原涼太っている?」
一番近くにいた子に聞いた。
「相原は…「俺はここだけど?」
背後から声がして、振り返る…
…その人がいた。
「なに?C75の石川夕葵ちゃん?」
「っな!相原くん!なんでさっき山田太郎だなんて言ったの!?」
「…怒るトコ…そこ?」
「…え?」
「普通…なんで着替えてる時に居るの?!じゃない?」
…確かに。
「な、名前…嘘つかなくていいじゃない!!山田太郎なんて適当な事言って!!」
相原君は笑いを堪えながら、あたしの後ろを指さして言った。
「…石川夕葵ちゃん。後ろ…」
「なに?」
後ろを見ると、生物の山Pがいた。
「石川さん…私がどうかしましたか?」
「い、いえ…別に…」
相原君は、あたしを見て笑ってるし、山Pは不思議そうな顔してるし…
「し、失礼します!!」
あたしは、そのまま自分のクラスに戻ろうとした時。
「石川夕葵ちゃん♪あとで行くから♪」
相原君があたしに向かって言った。