K.O.O.L−kiss Only One Love
クラス中があたしたちに注目する。
クラス中だけでなく、隣のクラスの子たちも、教室から顔を覗かせていたり…
「な、なに?山田太郎くん。」
「あぁ…あのさ。朝は悪かった。
まさか、あの石川夕葵ちゃんが部屋に入ってくるとは思わなくて。」
「いいよ、それはもう…」
「…っつうか。俺ら目立ってない?」
「う…ん。」
「一時間目…授業何?」
「…芸術…だったはず」
「そっか。んじゃ、一緒にサボろうぜ♪」
そう言うと、あたしの手をとって、特殊教室ばかりある管理棟に連れて行った。
「えっ?!
えぇぇぇぇ?!?!
ちょっと待って!!!」
あたしたち二人が手を繋いで行く様子をみんなが見ていた。
「おぉぉぉぉ!!!」
っと、廊下いっぱいに歓声が響いた。