K.O.O.L−kiss Only One Love
それからあたしたちはくだらない話ばかりして過ごした…
…キーンコーン
…カーンコーン…
「あ。1時間目終わった…戻らなきゃ」
立ち上がって、スカートをパパッと掃う。
その瞬間、グイッと右手を掴まれ引っ張られる。
「ンギャッ!」
「色気ねぇ声…」
あたしは相原君に後ろから抱きしめられた。
「…あ…の…」
喉の奥から鼓動がするのがわかる。
「意外と…かい」
「え?」
「意外と…胸…デカイ」
「へっ?!何言って…!!」
あたしは相原くんの方に振り向いた。
目の前の相原くんの綺麗な顔に、意識がとびそうになる。
あぁ…もうダメ…
相原くんの顔が近付くと、自然と目を閉じて彼の優しいキスを受け入れた。
「…石川夕葵…」
名前を呼ばれるだけで、胸が高鳴る。
「…はい?」
「また…二人で逢いたいんだけど?」
相原くんは、あたしを真っ直ぐ見て言った。
そんな綺麗な目で言われたら拒否できないでしょ。
「…うん。」
あたしは頷いた。
−−−−−−−
あたしは教室に戻った。
サチが凄く興奮してあたしに何か言ってる…
あたしは、相原くんの目が忘れられなくて…
キスが忘れられなくて…
頭の中は彼でいっぱいになっていた。