ダダダダイダディ

あれは何でだっけね。何で親父が東京に来たんだっけね。
とにかく俺は親父から呼び出された。その時俺は何していたかと言うとクズの片鱗、鼻から煙草を吸ってしゅんしゅんしていた、のは嘘で、イメージトレーニングに夢中になっていた、熱中していた。
イメージが俺を作っていたのではなないかと言う全く理解出来ない理論を自分に持っている程に俺はイメージばっかりの人間であった。
隙あらば俺はイメージしていた。例えば電車に乗るとしよう。
俺はイメージする。そこに現れるテロリスト。宗教に夢中のテロリスト。爆弾を持って「はにふぁなふぁなふぁな!らまだぺらんすら!」とか言う。俺の中ではこれは中東とかの、なんとなく宗教が盛んな方の国で用いられている言語。そのつもりだしそれっぽい。だが文才どころか教養すら持ち合わせない憐れな俺はまずテロリストがいる程までに宗教が盛んなのはどこなのかがわからん。なので何語を喋るかがわからん。というか何語を喋ろうが、俺は日本語しかわからん。
ああ英語、英語は中学までの部分は、ほんのりと残ってはいるよ。アイハブネバーなんちゃら、それが「わたしはなんちゃらしたことがありません」ってくらいの知識は持ち得てる。
だが聞き取れない。全く。完全に片言の英語教師の発音すらアイキャント。

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