たった一つの恋〜届けたい〜
プロローグ
僕は公園のベンチに
腰を降ろした。
周りの木々から聞こえてくる
蝉の鳴き声は、
どんどん大きくなってくる。
空を見上げると雲一つなかった。
8月の中旬、
都内の大学に通う直人は
お盆休みの間、故郷に
帰ってきていた。
親に引っ越したから手伝いに来て
と言われたので、なんとなく
帰ってきたのだか…
今となっては、この街が
居心地悪く感じた。