【完全版】秘密のフィアンセ☆ 上
「え~」
思わずこぼれたその言葉を聞いて、お父さんは咎める様に、軽く私を睨む。
その表情に、私は黙るしかなかった。
「じゃあね、由奈」
ニコリとお母さんが微笑むと、二人はそのまま帰ってしまった。
信じられない…。
本当に娘をヤクザの家に置いて行くなんて。
呆然と閉じられた玄関を見つめていた時、佑斗のお父さんが優しく言った。
「佑斗、由奈ちゃんに部屋を案内してやりなさい」