【完全版】秘密のフィアンセ☆ 上
甘い夜
「おい、由奈。何でいきなり入って来たんだよ」
琴ちゃんが帰り、私は足早に部屋へと向かう。
その背中越しに、佑斗が追いかけながら言ってきた。
「ごめんね。邪魔して」
振り向きもせず、ぶっきらぼうにそう言うと、部屋のドアを力任せに開けた。
「ちょっと待てよ。何、イライラしてんだよ」
イライラ…。
そう、今日は一日、イライラしている。
トイレで、女の子の話しを聞いてからだ。