【完全版】秘密のフィアンセ☆ 上
部屋に一歩入り、立ち止まる。
「ねえ、琴ちゃんて、佑斗がヤクザの息子だって知ってるの?」
佑斗の顔を見れなくて、前を向いたまま話した。
「知ってるよ。ガキの頃に、唯一オレを偏見の目で見なかったのが、琴だったんだよ」
そうなんだ…。
だから、好きな女の子だったんだね。
「それで、手作りクッキーを貰ったんだ?」
「えっ?あ、ああ。あれは、バレンタインの時だったんだけどな」