白花に恋する(企短)
その日は、皮肉にも高校の卒業式の日でした。
3年間、私達はすれ違うこともなく過ごしてしまいました。
「……ばかだなぁ、私」
3年ぶりのベンチに座って、私はひたすら泣きました。
暗くなって、側にある街灯が点(とも)っても涙は止まってくれませんでした。
そんな時、
「なにやってんの、」
うずくまっていた私の上に降ってきた声は、間違いなく、彼のものでした。
「……っ、あつ、」
「こんな暗いのに、女が一人でいると危ないじゃん」