白花に恋する(企短)
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「ぱぱぁ、おそーいっ」
「ごめんごめん、」
「ももちゃん、おきちゃった?」
「ううん、よく寝てるよ」
私の後ろから乳母車の音が聞こえて、娘--なずなが走ります。
いくらかおじさ……大人っぽくなった彼は、足に抱きつくなずなを片手でヒョイと抱き上げて、片手で器用に乳母車を押してこちらに寄ってきます。
「あー、ももちゃんがおはなばたけ」
我が娘ながら訳の分からない……。
苦笑しながら荷物を持ち直して彼女らに近づくと、乳母車の中で寝ている娘--ももの周りにたくさんの白い花。