白花に恋する(企短)











「ぱぱぁ、おそーいっ」

「ごめんごめん、」

「ももちゃん、おきちゃった?」

「ううん、よく寝てるよ」


私の後ろから乳母車の音が聞こえて、娘--なずなが走ります。

いくらかおじさ……大人っぽくなった彼は、足に抱きつくなずなを片手でヒョイと抱き上げて、片手で器用に乳母車を押してこちらに寄ってきます。


「あー、ももちゃんがおはなばたけ」


我が娘ながら訳の分からない……。

苦笑しながら荷物を持ち直して彼女らに近づくと、乳母車の中で寝ている娘--ももの周りにたくさんの白い花。





< 13 / 15 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop