白花に恋する(企短)
「湖都、これ」
「そっか、もうそんな季節かぁ」
あれから3回目のプレゼント。
私達は別々の高校に進学することが決まっていました。
「篤沙、合格おめでとう」
「……うん」
おめでたいことなのに、なぜか彼の表情は曇っていて嬉しくなさそうでした。
後々聞いた話によると、本当は私と同じ学校に行きたかったようです。
彼には少し難しい進学校でした。
「これで、最後になっちゃうのかなぁ」
薺の花束を見ながら、私がなんとなく言った言葉に彼は酷く不機嫌な顔。
意味が分からず首を傾げると、はぁっと盛大なため息が聞こえてきて。