白花に恋する(企短)
自分の部屋に入っても続くドキドキを、走ったからだと本気で思っていました。
今考えると笑っちゃいますね。
それから何もないまま、私達は高校生になりました。
毎日あったメールもあの日からぱたりと途絶えて、いつも一緒に歩いていた道に彼の姿を見ることもなくて。
日に日に寂しさと悲しさが積み重なっていて、あげく、気づいてしまったのです。
あぁ、私は彼が好きだったのか、と。
気づいたときには、いつかの草原には綺麗なマンションが建っていました。
薺は、コンクリートの下に埋まってしまっていたのでした。