あたしのあんた。








ガシッと手をつかまれ
身動きが取れなくなった。

「はなして、いたい。」


そう冷たく言い放つと
ぐっとその手を引かれ
さっきと同じ場所に
すわりこんだ。

「俺は香山賢人。
けんとってよべよ?
らら。」

「香山ね。わかった。
あとしたのなまえで
呼ばないで。
嫌いなの。」

「ひとのはなしきけって。

そうなのかー?いい名前だと思うけど。
だってー」

そしていきなり
頬に両手を添えられ
あいつの頭の方に
ぐーっと引き寄せながら

「この可愛いお顔に
ぴーったりの
可愛い名前じゃねーか。」

そう言ったあいつは
キラキラの桜と
キラキラの笑顔で
二倍キラキラして見えた。

ーこの辺だったと思う。
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