俺と生徒。
「南ってさ…健太君が好きなの?」
軽い感じで聞いてみた。
「え…っ!!!!!」
顔を真っ赤にする南。
こりゃ完璧に恋ってやつだな。
いやー可愛いなあ。
「侑妃~、健太が来て良かったじゃんっ♪」
そういって南の頭をツンツンしているのは、山口紗理奈。
どうやら南の友達みたいだ。
「そう言う山口は好きな奴いないのかー?」
俺は顔が真っ赤な南を少し守る感じで山口に話を振ってみた。
「あたしはいないねー(笑)」
さらっと応える山口。
ショートカットの彼女は、見た目だけじゃなくて中身も男気があるみたいだ。
「紗理奈は初恋もまだだもんね」
いつのまにか顔が赤くなくなった南が再び会話に入った…
と思ったらチャイムが鳴った。
「あーチャイムだ、また話そうね♪裕ちゃんっ!」
「裕也先生、あたしの話も今度聞いてね!」
笑顔で席にもどる二人。
誰一人、席を立ち上がってる奴もいない。
俺の教師人生のスタート、
結構いい感じだな、と俺は思った。