いつもとなりにはキミがいた
「ミホちゃん、気にしたらあかんで?」
「え? ‥‥うん。」
なんとなく話づらい話。
雄ちゃんに片思いしてるのも、香織先輩の彼氏が雄ちゃんなのも
このことは二人共知っている。
部活の帰り道、なんとなく沈黙が続く。
「うちな、この前‥‥
雄ちゃんと先輩が喧嘩してるの見てん。
その時、正直これで別れるんちゃうかって期待してる自分がおって。
したら、自分が最低な人間に思えてきて‥‥」
そこまで言って喉が詰まった。
苦しかった胸の内を、誰かに話をすることで
胸につっかえてたモノがスーと砂のさらさらのようにどこかに去って行った。