いつもとなりにはキミがいた



「うあ、麗!!」



シュウ君は全速力で走ってくる麗君に、両手を広げた。



麗君はシュウ君の胸に飛び込んだ。



あどけない笑顔と笑窪は、シュウ君にそっくりで声さえも似ていた。




「お〜い!! 母さんは?麗なんでお兄ちゃんがここにおるって分かったんや?」



軽々抱っこしてゆっくりしゃがんで麗君を下ろした。



あたしも麗君に会うのは本当に久しぶりのことやった。



まだ引っ越ししたての頃に、一度麗君と対面したきりで。



両親は麗君がまだ幼過ぎていたからと言う理由と、放っておくことが出来なかったらしく、それに甘えん坊な麗君は両親が居ないだけでわんわん泣いていたそうだ。



だから、シュウ君は祖母に面倒を見てもらって



麗君は両親がどこかに行く度について行っていたそうだ。




兄弟なのに少し離れたような生活をしていた二人






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