いつもとなりにはキミがいた
「‥‥もしかして待ってたん?」
椅子をクルクル回転させて遊ぶあたしに雄ちゃんは
「‥うん。待ってたけどおまえ来んかった。絶対来ると思ってたのに」
あれからあたしは雄ちゃんの足が心配だった。
あたしの予想は的中して ママから雄ちゃんが右足を捻挫したと聞いた。
捻挫だけで良かったとホッとしたのを覚えている。
「足もう大丈夫なん?」
あたしは素っ気なく聞いた。
「あぁ。まだ捻挫で良かったわ。先輩みたいに複雑骨折でもしてたら、俺のサッカー人生も終わりやった。」
「おおげさな。」
あたしは他に言う言葉が見つからなくて
あたし達の間には重い重い沈黙が続いた。
そんな沈黙を破ったのは 雄ちゃんだった。
「‥‥試合、負けて悪かったな。」