いつもとなりにはキミがいた



すると視界が急に暗くなり、あたしはきつくギュッと抱きしめられていた。



「なっ……!! ゆ、ゆうちゃん?」



暖かくて心地好い大きいな手が離れる。



一瞬のことだったのに温もりが背中に残って胸が苦しくなる。



「いやっ、そのっ……おおまえが泣くからっ」



目をぱちぱちして明らかに動揺している。



お互い急に恥ずかしくなって離れる。



それでもあたしの涙は言うことを聞いてくれなくて、流れ続ける涙にあたしはますます混乱するだけだった。



「もう…グスッ……」



「え?…………」










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