いつもとなりにはキミがいた
「どうって?」
「いや・・・・、雄どっちにしよか迷ってたみたいやから」
「どの高校で迷うって? 俺はD高に行く、シュウもD高推薦やろ?」
俺はシュウが持っていたサッカーボールを奪う。
「お、おい!」
「大丈夫、大丈夫♪ だから、おまえとは高校も一緒や。」
あの小学生のときの怪我で、サッカーからもサッカーボールをじっくり見ることも無かった俺は、黒と白の模様が着いたサッカーボールを両手で持って眺めていた。
夕日も沈み、暗くなってきた空。
「高峯は? ちゃんと話たんか?」
痛いところをズバズバさしてくるやつ。
「まだ。 でも、明日ちゃんと話す。」
「話すってことは・・・覚悟出来てんか?」
シュウが言っている意味が痛いくらいよくわかった。
もう二度と、香織の隣に居れなくなることをーー・・・・・・・・・