いつもとなりにはキミがいた
卒業式(大人になること)
今日は中学校生活最後の日。
いつもの朝、何気ない学校までの道のりをゆっくり歩く。
ゆっくりと歩くほど、卒業と言う言葉が身に染みる。
昨日まであれだけ笑いあっていた教室は昨日まで。
「おう! 雄もこの花付けろよ。」
校門の前を塞ぐような人混みの中に居たシュウは、俺に一輪の花を手渡した。
周りは別れを惜しむ人たちで、滅多にみたいスーツ姿に身を包んだ先生を見ると、女子たちは走り出していった。
「俺、式始まったら出るから。 裏校舎行ってくる」
実は苦手・・・・な俺。
強がっているけど、実は涙もろいしほんまは卒業なんてしたくない。
ずっとこの校舎で笑っていたいし、みんなと笑ってあの教室で勉強していたい。
この廊下だって・・・一つ一つ、こんなに真剣に通ったことなんて今までになかった。