いつもとなりにはキミがいた
高校デビュー
「規律、礼」
がさがさと揺れる椅子から立ち上がる。
机のがたがたが気になる俺。
「おい!雄、食堂行こや!」
いきなり教室に入ってくるなり俺の腕を掴むのはシュウ。
クラスは離れたものの関係は崩れることはない。
お昼になるといつものように教室に入ってくる。
数学の教科書を乱暴に机にほうり込んで食堂に向かう。
「クラス慣れた? そっちは楽しい?」
「んー、まあまあやな。お前今日から部活?」
ラーメンを啜ったシュウは左手の親指で合図をした。
俺のクラスでもシュウの知名度が高い。
彼女は居るのかだとか、好きなタイプは?とか。
俺はサッカーを辞めてから告白されることは極端に減ってしまった。