いつもとなりにはキミがいた
それから春の桜がヒラヒラ舞い散る中
大好きな雄ちゃんは
中学校に行ってしまった。
家が右隣の迎えで、
会おうと思えばすぐに会いに行ける距離やのに
何かに理由をつけて会うのを拒んだ。
でも、一度だけ中学の制服を着た雄ちゃんを見かけた事があった。
スラッとした長身に
細身なのに程よくついた筋肉が雄ちゃんのカッコ良さを引き立てていた。
まだ小学生のあたしにとって
中学生の雄ちゃんがずいぶん大人に見えたのを覚えている。
会われへんもどかしさと、
会いたい気持ちでいっぱいやのに
家の3階の窓から少し顔を覗かせて
雄ちゃんの遅い帰りを待つ。