いつもとなりにはキミがいた
怪我
急いで用意をしなければならないのに、なかなか手につかない。
あたしは電話の受話器を持ってある人にかけた。
「はい、もしもし」
「あ‥‥真実、ごめん。今日行かれへんくなった」
「え、なんかあったミホ?どないしたん?」
「ちょっとお母さんに大事な用事頼まれて。ほんまにごめんな真実」
「そっか‥しょうがないな。わかった、また今度行こう。」
「ほんまにごめんね。じゃまたね」
そして電話をきって、それまで手が止まっていたのが、まるで嘘のように制服を脱ぎ捨ててTシャツに着替えた。
心配をかけないようにメモ書きを残して家を出る。