ーキミと誓った約束ー
裕真君が,意を弾ませながら,私に近づく。

わざわざ,走ってきたようで,汗が滲み出ていて,それが太陽に反射してキラリと光って見えた。


「……これ,作ってたら…遅くなっちまった」


そう言って開いた手のひらの上には,
シロツメグサで作った小さい指輪。。。


「……ほら,前にした約束……舞華は,忘れてるかも知れないけれど,俺は覚えていたよ。。」


私は,震える手で優しくシロツメグサの指輪を掴んだ。


強く握ったら,モロく粉々になりそうな弱々しい指輪だけど…私はとても嬉しかった。


……あの時の約束…覚えていてくれたんだね。


「私も覚えていたよ,約束……」


「そっか,へへっ!良かった……」


照れ隠しに,鼻をこする裕真君を見て,私は笑っていた。




ーーーー


帰り道,2人で肩を並べながら歩く道は夕日が,真っ赤に燃えて綺麗で,余計に裕真君の顔が赤く見えたよ。


「ゆーまッッ!!制服,そんなに汚してきて!!
どうするのよ!?…クリーニング出しに行かなきゃいけないじゃないの!!」


「…あら!!舞華チャン、可愛くなってぇ〜♪
今日は、すき焼きだから食べてって〜!……裕真!!あんた,罰として今日は肉禁止だからね」

「うわ……最悪だ」


裕真君の家に行くと,昔と変わらない,元気なオバサンがいた。


そして久しぶりに,裕真君の家族と食事をした…何年ぶりだろう。懐かしいな。


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