ーキミと誓った約束ー
第2章【約束の指切り】
「……そろそろ行くね。」
最後のひと口を飲み干して,私は椅子から立ち上がり,鞄に手をかけた。
「いってらっしゃい」
カチャカチャと食器を片付けながら,母は私を見送ってくれた。
玄関のドアを開けて,外の空気をいっぱいに吸い込んだ。
「ふぅ……いい天気ね」
空一面に雲ひとつ無い真っ青な色が,広がっていて,とても気持ちが良い。
《ーゆーびきり,げんまん…》
《ーうーそついたら,はーりせんぼん…》
《ーのーます,ゆびきったぁ〜…》
ーーーふと,頭に流れた懐かしいメロディー…。
そういえば…久しぶりに夢をみたんだっけ。
「懐かしいな…指切り…」
自分の右の小指を立てて,懐かしむように目を細めた。
「元気にしてるのかな……裕真君」
私は,空を見上げて,昔を思い出していた。
ーーーー
《僕,ニューヨークって所に引っ越すんだ》
私,篠宮舞華(シノミヤ,マイカ)が初恋をした相手…里中裕真(サトナカ,ユウマ)から,突然の別れの言葉を聞かされた。
ー胸が引き裂かれる思いだった。
私は,泣きじゃくって,彼を困らしたような気がする。
《指切りしようか》
…ポツリと彼が言った。
《ゆびきり…?》
《うん,僕達が将来大きくなったら,実現出来る約束だよ》
私は,キョトンと首を傾げると,
裕真君は,キラキラと綺麗な瞳を輝かせながら,微笑んで言った言葉…。
【大人になったら,結婚しよぅね】
その時の私にとっては,魔法のコトバだった。
ーーーー
ーー
「ふっ……今更思い出しても意味ないのにね。私,もう高校生だよ…」
眩しく輝く太陽に,手をかざすと自分の手が透き通って見えるようだ。
「あのコトバは,きっと…おとぎ話だったんだよね……」
足元にあった石ころをつま先で蹴り飛ばすと,コロコロ〜…と,静かに転がって行く。
……あんな幼い頃の約束なんて……
最後のひと口を飲み干して,私は椅子から立ち上がり,鞄に手をかけた。
「いってらっしゃい」
カチャカチャと食器を片付けながら,母は私を見送ってくれた。
玄関のドアを開けて,外の空気をいっぱいに吸い込んだ。
「ふぅ……いい天気ね」
空一面に雲ひとつ無い真っ青な色が,広がっていて,とても気持ちが良い。
《ーゆーびきり,げんまん…》
《ーうーそついたら,はーりせんぼん…》
《ーのーます,ゆびきったぁ〜…》
ーーーふと,頭に流れた懐かしいメロディー…。
そういえば…久しぶりに夢をみたんだっけ。
「懐かしいな…指切り…」
自分の右の小指を立てて,懐かしむように目を細めた。
「元気にしてるのかな……裕真君」
私は,空を見上げて,昔を思い出していた。
ーーーー
《僕,ニューヨークって所に引っ越すんだ》
私,篠宮舞華(シノミヤ,マイカ)が初恋をした相手…里中裕真(サトナカ,ユウマ)から,突然の別れの言葉を聞かされた。
ー胸が引き裂かれる思いだった。
私は,泣きじゃくって,彼を困らしたような気がする。
《指切りしようか》
…ポツリと彼が言った。
《ゆびきり…?》
《うん,僕達が将来大きくなったら,実現出来る約束だよ》
私は,キョトンと首を傾げると,
裕真君は,キラキラと綺麗な瞳を輝かせながら,微笑んで言った言葉…。
【大人になったら,結婚しよぅね】
その時の私にとっては,魔法のコトバだった。
ーーーー
ーー
「ふっ……今更思い出しても意味ないのにね。私,もう高校生だよ…」
眩しく輝く太陽に,手をかざすと自分の手が透き通って見えるようだ。
「あのコトバは,きっと…おとぎ話だったんだよね……」
足元にあった石ころをつま先で蹴り飛ばすと,コロコロ〜…と,静かに転がって行く。
……あんな幼い頃の約束なんて……